復興を目の当たりにする
2011年3月11日に発生した東日本大震災により、多くの尊い命を失い、甚大な被害を受けた陸前高田。
この地で、その恐ろしさと、今日も続く復興への歩みを、見て、聞いて、感じてください。
震災遺構
「旧道の駅高田松原」「旧下宿定住促進住宅」「旧陸前高田市立気仙中学校」そして「奇跡の一本松」の後ろにある「旧陸前高田ユースホステル」が、震災遺構として被害を受けた当時の状態のまま保存されています。
これらと、防潮堤、高田松原を含めた被災区域を「高田松原津波祈念公園」とし、2020年の完成を目指して復興工事が進んでいます。
陸前高田復興まちづくり情報館・東日本大震災追悼施設
「陸前高田復興まちづくり情報館」では、震災前、震災当時、現在の復興の状況の紹介と、アメリカのカリフォルニア州クレセントシティにたどり着いた岩手県立高田高校海洋システム科の船「かもめ」が展示されています。
その入り口の目の前に立っているのが、「東日本大震災追悼施設」。現在も多くの人が訪れ、震災で亡くなられた方々に祈りをささげています。
陸前高田を襲った震災と、現在も続く復興についてより深く知るために、ご利用頂きたいことや、立ち寄って頂きたい場所をご紹介します。
「語り部ガイド」や「復興最前線ツアー」など陸前高田は地元住民が震災ガイドとして今日も活動しています。震災遺構や情報施設だけでは知ることができない思いに触れ、防災・減災の教訓を当事者から受け取ることは貴重な経験となることでしょう。
震災遺構をみてまわった後は、日々新しいお店が建設されていく陸前高田の中心市街地で「まちあるき」をして、かつて高田を賑わせていた商店が震災から再建した姿を見てください。
また、海抜高度が高いポイントから海側を見下ろすと、復興状況の全体像を目撃することができます。防災・減災の学びと復興への希望は、まちのいたるところにあふれています。
陸前高田は多くの人からご支援を受けて、復興の道を歩んでいます。その形はボランティア活動や寄付にとどまりません。
「アンパンマン」の作者であるやなせたかしさんが描いてくださった「奇跡の一本松」のイラストは、ハンカチとして販売され、売り上げの一部を復興のために活用しています。
「ころわん」シリーズの著者である黒井健さんにイラストを手がけていただいた絵本「ハナミズキのみち」は、震災の恐ろしさと、「いのちの道を繋げたい」という強い願いを、多くの人々に伝えています。
陸前高田は、現在も多くの場所で復興工事が進められています。
砂利道があったり、大きなダンプカーが行き来していたり、道路が変わっていたり。十分に注意して、お越しください。
よく道やお店が変化します
土地のかさ上げや施設の工事などによって、昨日まで通れた道路が通行禁止になったり、いつの間にか新しい道路が開通していたりします。
カーナビやGoogleナビでも表示されていないことがあるので、道路看板等を見落とさないようご注意ください。
また、店舗の再建もラッシュを迎えています。目的のお店が、観光誌に掲載された場所から別の場所へ移転している、また移転の最中であることもしばしば。事前にウェブサイトや電話で、最新の情報を確認しましょう。
津波の避難路を確認
忘れてはいけないのが、震災遺構があるところや市街地は震災の津波浸水区域であるということ。いざというときは高台へ逃げて津波から命を守るために、避難路を確認しておきましょう。
「津波てんでんこ(各自がてんでんばらばらに素早く高台に逃げる)」の教えを忘れずに!
工事中につき、要注意
復興工事のため、陸前高田はいろんなところで大きな工事車両が通ります。
道を歩く際は子供と手をつなぐ、車を運転する際はしっかり車間距離をあけて走行するなど、十分に注意してください。
マナーを守りましょう
震災遺構は震災の被害を受けた状態のまま保存されています。街灯も設置されておらず夜は足元が見えないので、見学は明るいうちに行くようにしましょう。
なお、立ち入り禁止区域には絶対に立ち入らないでください。
また、ゴミはその場に捨てず必ず持ち帰るなど、マナーを守りましょう。
陸前高田観光ガイド部会 会長河野正義さん
お客様に合わせた的確で分かりやすいガイドに定評がある河野さんは、「けんか七夕まつり」で知られる気仙町の出身。
冷静で穏やかな人柄と内にある情熱のギャップが、たまらなく魅力的です。